龍虎之助、月命日

  • 2011.10.03 Monday
  • 22:54
19年前の10月。
 
祖父が倒れた。
夏の帰省から、一月半。
祖父の元へ、小さな娘と急いだ。
 
大好きな祖父
もう、声も聞けない。
大好きな大きな手で
私の頭をなでてもくれない。
 
静かに、規則的な呼吸の音だけ…
 
そんな突然の出来事。
そんな、悲しい里帰り。
 
 
そんな私を、
静かに、
本当に、静かに、迎えてくれた、タコ。
 
ただならぬ、出来事を察しているかのように…
 
 
あの時。
ただ、抱きしめるだけで、私の悲しみを、わかってくれていたのだろうか、、
 
 
慌ただしい、家の中。
彼だけは、慌てることなく、静かに、
そこにいてくれた。
 
優しく、手の甲を舐め、
そっと、傍によりそってくれた。
 
 
娘が、熱を出して、
祖父の病院へいけないとき、
もどかしい気持ちでいた私。
 
娘と遊んでくれたのは、
タコだった。
ハイハイしかできない娘。
テーブルに手を着き、
立つタコの真似をして、
娘が、初めてつかまり立ちをした。
 
「立ったぁ♪」
 
私の、驚いた声
喜ぶ私の顔。
 
タコは、笑っていた。
 
落ち着かない、傍にいてあげられない、もどかしい気持ちの私に。
 
『Mieちゃんは、お母さんだろ、しっかりしろよ!』
そう言っているかのような、タコの眼差し。
 
なんだか、テーブルに捕まって立っている娘と、タコを、泣きながら抱き締めた。
 
犬から、教えてもらう事だって、たくさんあるね。
娘は、タコにいっぱい教えてもらった。
娘のつかまり立ちを最初に見たのは、タコ。
君だった。
 
 
病院から戻った家族に見せた、娘のつかまり立ち。
素知らぬ顔で、
笑い声の私達を、
見ていたよね。
 
 
10月は、そんな思い出が
あります。
 
 
 
201107022000000.jpg
 
 
 
 
 
タコ。
 
お母ちゃんの傍にいてあげてください。
 
 
気の強い、お母ちゃんだけど、
きっと、タコは知ってる。
人の為には、一生懸命尽くす。
弱った気持ちの人には、元気玉をくれる。
強くて優しい、お母ちゃんを…
人一倍、心配性なお母ちゃん。
 
 
ちょっぴり弱気になっています。
 
私の代わりに、お母ちゃんの傍にいてあげてください。
 
お願いね。
 
 
10月。
龍虎之助に
お母ちゃんに
会いにいきます。
 
 
 


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